青梅の蜜煮(青梅甘露煮)ができました。料理に携わる中で自分が思うことを話します。

皆さんこんにちは。大変ご無沙汰しております。

先週の木曜日から青梅の蜜煮(青梅の甘露煮)の仕込みをしていて昨日瓶詰めしました。

今日はその様子を皆さんにお届けするとともに自分なりの料理に対する考え方をお話しできればと思います。

昨年の経験をいかして今年は早めに動きましたので昨年より大きめの青梅が買えました。

青梅

まず最初に青梅のへたをとって針うちしてうすい塩水(立て塩)につけていきます。

青梅の針打ち

薄い立て塩につけてこの立て塩と酢をあわせて銅鍋で火を入れていきます。

青梅の火入れ

火を入れていくと色が飛んでいきます。ちょっとわかりにくいかもしれませんが黄色になります。

少しずつ火入れして一定の温度を保ち火を入れて火を止めてそのままにします。

自分たちは鍋止めと呼んでいます。

青梅の色づけ

そうすると青梅の色が変わります。

火の入れ方や色の付け方は人によって違うのであくまで自分のやり方ですのであらかじめご了承ください。

次に別の鍋に移して銅をぬいてい抜いていきます。

青梅の銅抜き

別鍋に移して火にかけて水を捨て水にさらしてを合計で5回くらい繰り返しました。

それで銅が抜けます。銅が抜けたら今度は薄蜜、中蜜、本蜜と甘さを少しずつつけていきます。

青梅の蜜煮

薄蜜、中蜜、本蜜と炊いている様子です。

できたら瓶詰にしていきます。

青梅の蜜煮の瓶詰め真空

瓶詰めしたらうちでは冷蔵庫で一か月保存します。作ったばかりだと味が馴染んでいないので一か月後に提供しています。

正直なところこの青梅の蜜煮は和食の煮炊きものの中でもトップクラスに難しい料理です。

自分がすごいとか作っていてえらいとかそんなことを言いたいわけではありません。

福岡でお世話になった中野兄さんに習った料理ですがなかなかうまくできませんでした。

原型がなくなるくらい粉々にしたり色がつかなかったり銅が抜けなかったりしました。

試行錯誤を繰り返して5回目でようやく火の入れ方のコツをつかみました。

何が言いたいかというとどうしても人それぞれ能力に個人差があります。

やっぱりどうしても天才的な人っています。自分は天才ではありません。

そんな自分が天才に近づくには愚直にやるしか道はありません。

いろんなことに挑戦する中でうまくいかないことあると思います。

どうせ自分なんてと思わずに今日は難しいことに挑戦したんだと思ってほしいです。

実は佐世保では和食という料理になじみがない街です。元々玉寿司という寿司屋だったこともあり佐世保に帰ってきた10年前からことあるごとになぜ寿司を握らないのか?と聞かれ和食の料理人ですと説明しても理解してもらえない日々が何年も続きました。

何のために10年修業してきたのか?この街に和食好きな人はいないのかと途方に暮れたことも正直ありました。

一生懸命やっていたらどうにかなると自分に言い聞かせてやってきました。佐世保に帰ってきてからは日本酒の勉強を始めました。

いつもお世話になっている酒販店さんに日本酒のことを教わり日本酒の試飲会にも参加させていただきました。

酒販店さんを20軒以上訪ねてきて少しずつ勉強していきました。親父が引退してから陶芸家さんたちを訪ねて器を集めてきました。

お米を一年かけて20種類のお米を食べ比べしてきて現在3種類のお米をブレンドして土鍋で炊いています。

洋懐石紀の川さんの紹介でこめ胚芽油を使用しております。

鰹節は枕崎から取寄せていて2年前から本枯節も取り扱いをはじめました。

ぬか漬けとアイスも2年前から作り始めました。今年から昆布を変えたので出汁のおいしさがアップしました。

お茶も少しずつ勉強を始めて自分がおいしいと思うお茶を提供しております。

正直なところいろんなものが高くなっています。安くておいしく。良心的にされているお店を否定するつもりはありませんが。

うちも玉寿司のころは800円1000円でランチをやっていました。日本料理たまにしてから800円1000円のランチはやめました。

なぜかというと自分がやりたい料理ができないからです。

気持ちはわかります。安いに越したことはありません。提供価格が決まっているのでやれることには限界がありますが。

この食材は高いからという理由でいろんな食材を安いものにしたらどうなるでしょうか?

それで美味しい料理ができるのでしょうか?ご予約下さるお客様に喜んでもらえるのでしょうか?

安いものには安いものの、高いものには高いなりの良さがあります。

価格だけ見て安い高いではなくてなぜこの価格なのか?を考えてもらいたいと思います。

恐れず言わせてもらうとうちはそんなに高くはないと思います。

料理を評価するのはお客様です。いろんなお店に行かれてみていいお店さんとの出会いがあればと思います。

長文失礼いたしました。読んでくださりありがとうございます。

ご予約の際はよろしくお願いいたします。


佐世保の和食「日本料理 たま」鮮魚のコース料理がお祝いの食事や会食におすすめ (nihonryouri-tama.com)


長崎佐世保の和食屋【日本料理たま】

住所 857-0134

長崎県佐世保市瀬戸越3-293-8

電話 0956-40-8141

お昼はご来店日の2日前までの完全予約制

夜はご来店日の14日前までの完全予約制

定休日毎週水曜日

営業時間 【ランチ】11時~14時。【ディナー】16時30分~21時。

ランチ3300円からのおまかせ料理、ディナー 5500円、7700円、11000円~のおまかせ料理。ご予約は2名様からとなっております。

料理や食材を指定された場合設定している価格帯より高くなることがありますので予めご了承下さい。